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知らず、周の夢に蝶と為れるか、 胡蝶の夢に周と為れるかを。
2025/11/27 (Thu)07:58
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2008/07/06 (Sun)11:38

ホントは金曜日に浮上するはずが、
ずるずると日曜に(汗)
なんか、無駄に焦る日々が続いています。

そんな虎氷女は、昨日バイト先で床上浸水の被害にあいました。
1メートル先も見えないくらいの集中豪雨が襲い、
無常にも、定休日の看板(@プラスチック)が流されていきました。

でも、きっと一番かわいそうなのは、
定休日にもかかわらず出勤してる虎氷女やら、その他社員の皆様でしょうね(…)

さて、お題は続きからドウゾ。


――人殺しがしたい。

そんな言葉、よくアスランに吐けたものだ、とキラは自嘲した。
アスランが人を殺したのは一度だけ。

人殺しを生業にしている自分とは違うというのに。

外にちらつく雪と、それを見て涙を流すアスランを掻き抱きながら、
キラは昔のことを思い出していた。



「人って、こんなにも簡単に死んでしまうものなんだな」


昏い顔をして、ぽつりと彼が呟いたのは互いが十になった頃だった。
それは同時に、アスランの母上が亡くなった歳でもある。

「昨日までは、あんなに元気に笑っていたのに」

二人でよく遊ぶ河原に座り込んだアスランは、何処か遠くを見ていた。
彼岸で死人花が、その毒々しい紅を揺らしている。

「事故だった……暴走した馬車が向かった先に、たまたま母上がいらしたんだ」

それは、僕も母から涙ながらに聞かされた。
そして、ふと僕はアスランの顔を盗み見た。

アスランの瞳に、涙はない。

「人って、こんなに簡単に死ぬんだな」

同じことを何度も呟くアスランに、きっと現実は見えていないんだろう。

「アスラン!」

痛々しい姿に、僕の方が泣きそうになりながらー必死にアスランを抱きしめた。

「人って、こんなに簡単に死ぬんだな」

繰り返し繰り返し、まるで呪文の様につぶやく。

僕らの回りにも、あの毒々しい花弁が揺れていた。



*「死人花」彼岸花の別名

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プロフィール
HN:
虎氷女(トラヒメ)
HP:
性別:
女性
自己紹介:
往矣。吾将曳尾於塗中。
私も、尾を泥の中に引きずって自由に生きてゆきましょう。
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